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【2026年最新】相続した空き不動産をレンタルスペースにする方法|貸し方・税務・リフォームのポイントを解説

相続した空き家・空き不動産をそのまま放置すると、維持コストがかかり続けるだけでなく、放置状態が長引けば「特定空家等」に指定されるリスクもあります。活用方法の一つが、空き不動産をレンタルスペースとして貸し出すことです。ただし、住宅をそのまま貸す場合とは異なり、相続税の特例・固定資産税・建築基準法上の用途変更など、確認すべき論点があります。この記事では、相続した空き不動産をレンタルスペースとして活用する方法と、運営体制・税務・リフォームのポイントを解説します。

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相続した空き不動産が「負の資産」になる前に、活用方法を決める

総務省の「住宅・土地統計調査」によると、空き家は900万戸を超え、空き家率も13.8%と過去最高水準になっています。相続で引き継いだものの、住む予定がなく、使われずに放置されるケースが少なくありません。

空き不動産を放置するリスクは、次のとおりです。

  • 固定資産税・管理費などの維持コストがかかり続ける
  • 建物の老朽化や雑草の繁茂などで近隣トラブルの原因になる
  • 不法侵入や放火など防犯上の問題が生じやすい
  • 「特定空家等」に指定されると、固定資産税の住宅用地特例が解除されたり、勧告・命令・代執行の対象になったりする(出典:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法」)

活用方法としては、売却・賃貸住宅として貸す・レンタルスペースとして貸すの3つが代表的です。レンタルスペースとして貸す場合は、時間貸し・日貸しを中心に単価を設定できるため、賃貸住宅より収益性を上げられる可能性がある一方、予約管理や設備・規制の整理が必要になります。

貸し方の3区分——時間貸し・日貸し・月極で事業の形が変わる

相続した空き不動産を貸す場合、まず「誰に・どういう単位で貸すか」を決めます。代表的な区分は次の3つです。

区分 利用シーンの例 運営上の特徴
時間貸し(1時間〜数時間) 会議・ワークショップ・撮影・オンライン教室 1回あたりの単価を高く設定できるが、予約・決済・開錠の手間がかかる
日貸し(1日単位) セミナー・教室・イベント・展示会 時間貸しより管理負担は軽い。週末を中心に需要が固まりやすい
月極(1か月以上) 事務所・サロン・教室の定借 稼働の確保がしやすく管理は楽だが、1日あたりの単価は低くなりがち

レンタルスペースは原則として「場所貸し」です。設備や物品の管理は貸し手側が行い、利用の内容は借り手が責任を持ちます。契約は、期間と利用条件を明記した賃貸借契約(定期借家契約など)で整理しましょう。契約形態の選択や借地借家法の適用関係は、弁護士や司法書士などの専門家へ相談するのが確実です。

注意したいのは宿泊です。宿泊を伴う営業は旅館業法の許可または住宅宿泊事業法(民泊)の手続きが必要になりますが、宿泊を伴わない時間貸し・日貸しの場所貸しは、旅館業法の対象外です(出典:厚生労働省「旅館業法」)。「レンタルスペースを宿泊にも使えるようにしたい」場合は、利用規約で宿泊を禁止して場所貸しに徹するか、宿泊の手続きを取るかを、事業計画の段階で決めておきましょう。

税務のポイント——「いつ貸し始めるか」が税金を左右する

相続した空き不動産をレンタルスペースとして貸す場合、相続税・固定資産税・所得税のそれぞれで、貸すタイミングや用途の変更が影響します。契約を結ぶ前に、次のポイントを確認しておきましょう。

相続税——小規模宅地等の特例は相続開始前の貸付が前提

相続税の「小規模宅地等の特例」は、相続した宅地の評価額を減額できる制度です。自宅として使われていた特定居住用宅地は330平方メートルまで80%減額、賃貸などに供されていた貸付事業用宅地等は200平方メートルまで50%減額されます(出典:国税庁「小規模宅地等の特例」)。

ただし、貸付事業用宅地等の特例は、相続開始前から継続して貸付事業に供されていたことが要件です。相続後に貸し始めた場合や、相続開始の直前に貸し始めた場合は、特例の対象にならないケースがあります。「相続税対策として相続後に貸し始める」という考え方は、この特例に限っては成立しない点に注意が必要です。

また、賃貸に出している宅地(貸家建付地)は、相続税評価において自用の宅地より評価額が低くなりますが、この評価が反映されるのも相続開始時点で貸付が行われていた場合です。相続税の申告は相続開始から10か月以内に行う必要があります。適用の可否は個別の事情によるため、申告前に税理士へ確認しましょう。

あわせて、2024年4月から相続で不動産を取得した人は、相続の開始を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務化されています(出典:法務省「相続登記の申請義務化」)。レンタルスペースとして貸し出すには、賃貸借契約を締結する時点で所有者(名義人)が確定している必要があるため、登記の手続きと貸し出しのスケジュールを合わせて進めましょう。

固定資産税——住宅用地の軽減措置が外れるリスク

固定資産税には住宅用地の軽減措置があり、小規模住宅用地(200平方メートル以下)は課税標準額が6分の1、一般住宅用地(200平方メートル超)は3分の1になります(出典:総務省「固定資産税のあらまし」)。

この軽減は、土地の上にある建物が「住宅」として使われていることが前提です。レンタルスペースなど事業用に用途変更すると軽減の対象外となり、課税標準額が上がって税額が増えるケースがあります。

対策としては、市町村の固定資産税担当課で「転用後の税額」を試算してもらうのが確実です。賃貸住宅として貸す場合(借家の敷地)は住宅用地の扱いが続くケースが多い一方、レンタルスペースのように不特定多数の利用者が入る事業用貸付にすると判定が変わる可能性があります。税負担の変化を織り込んだうえで、貸し方を選びましょう。

所得税——賃貸収入は不動産所得になる

レンタルスペースの貸付収入は、原則として「不動産所得」になります。貸付の規模が大きくなり事業的とみなされる場合は事業所得とみなされ、青色申告などの選択肢も広がります。いずれの場合も確定申告の対象になるため、収支の記録は貸し出し開始時から残しておきましょう。

貸付に伴うリフォーム費用・設備費・保険料・管理費などは経費として計上できます。ただし、節税を目的にした無理な経費計上は税務上のリスクになるため、収支計画を立てたうえで税理士へ相談することをおすすめします。

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リフォームと建築手続き——住宅を貸す前に確認する3つの論点

住宅をレンタルスペースとして貸す場合、必要なリフォームの範囲は「何を貸すか」で変わります。工事を始める前に、次の3つの論点を確認してください。

用途変更と建築確認の要否

住宅を、不特定多数の人が利用する施設(集会場・貸席など)に用途変更する場合、建築基準法上の用途変更に該当し、建築確認が必要になるケースがあります。対象になるかは建物の規模(3階建て以上・延べ面積200平方メートル超など)によって判断され、小規模な住宅でも自治体の条例によっては届出が必要です(出典:国土交通省「建築基準法」)。

リフォームの見積もりを取る前に、自治体の建築指導課へ「レンタルスペースとして貸す場合の用途変更の要否」を確認しましょう。確認を後回しにすると、工事後に設備の追加・変更が必要になり、費用が膨らむリスクがあります。

消防・避難の設備

不特定多数が利用する施設になると、避難経路の確保や誘導灯・消火器などの消防設備の設置が必要になるケースがあります。基準は消防法と自治体の条例で異なるため、事前に消防署へ相談しましょう。

特に、住宅用の窓・階段のままでは避難の基準を満たさないケースがあります。間取りの変更を伴うリフォームでは、避難経路の確保も設計に組み込むことが重要です。

マンション・用途地域の制約

区分所有マンションの部屋を貸す場合は、管理規約で事業用利用が禁止されているケースがあります。理事会への届出や承認が必要になることもあるため、貸し出し前に管理組合へ確認しましょう。

一戸建ての場合も、都市計画法の用途地域によっては、集会場などの用途に使うことができない地域(第一種低層住居専用地域など)があります。敷地がどの用途地域に該当するかは、自治体の都市計画課・建築指導課で確認できます。

運営体制の設計——予約・決済・管理の仕組みを決める

相続した空き不動産は、現地にスタッフを置きにくいケースが多いため、運営を「仕組み」で回せるかどうかが収益性を左右します。レンタルスペース運営の中心は、次の流れです。

  • 予約受付(時間帯・利用目的の確認)
  • 決済(事前決済・キャンセルポリシー)
  • 利用者情報の管理(連絡先・利用履歴)
  • 開錠・施錠(スマートロックの連携)
  • 利用後の清掃・点検

時間貸しを中心にするほど、予約管理と決済の仕組みが重要になります。予約管理・決済・顧客管理・スマートロック連携をまとめて運用できる予約管理システム「Spekan」を使えば、予約受付から決済、利用者情報の管理までを一元管理できます。無人運営を支援する機能もあるため、現地対応の人件費を抑えたい空き不動産活用の初期段階に適しています。

このほか、不特定多数の利用者を受け入れる施設では、施設賠償責任保険への加入が実質的に必須です。火災保険の内容とあわせて、補償の範囲を確認しましょう。利用者同士のトラブル防止のため、利用規約(利用時間・禁止事項・清掃ルール・キャンセル規定)も貸し出し前に明文化しておくことが大切です。

相続人が複数いる場合は、不動産が共有名義になることがあります。共有不動産を貸し出すには共有者全員の同意が必要になるため、代表者を決めて賃貸借契約を結ぶなど、貸し出しの前に共有者間で合意を取っておきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 相続した空き家をレンタルスペースとして貸した場合、相続税の特例は受けられますか?

A. 相続税の小規模宅地等の特例のうち、貸付事業用宅地等(200平方メートルまで評価額50%減額)は、相続開始前から継続して貸付事業に供されていたことが要件です。相続後に貸し始めた場合は対象にならないケースが多いため、相続税の申告(相続開始から10か月以内)前に税理士へ確認しましょう。詳しくは「相続税——小規模宅地等の特例は相続開始前の貸付が前提」をご覧ください。

Q. 住宅をレンタルスペースに用途変更する場合、建築確認は必要ですか?

A. 住宅を不特定多数が利用する施設に用途変更する場合、建築基準法上の特定建築物(3階建て以上・延べ面積200平方メートル超など)に該当すれば建築確認が必要です。小規模な住宅でも自治体によっては届出が必要なため、リフォーム前に自治体の建築指導課へ確認しましょう。詳しくは「用途変更と建築確認の要否」をご覧ください。

Q. レンタルスペースとして貸すと固定資産税は上がりますか?

A. 住宅用地の軽減措置(200平方メートル以下は課税標準額が6分の1)は、住宅として利用されていることが前提です。レンタルスペースなど事業用に用途変更すると軽減の対象外となり、税額が増えるケースがあります。転用後の税額は、市町村の固定資産税担当課で試算してもらいましょう。詳しくは「固定資産税——住宅用地の軽減措置が外れるリスク」をご覧ください。

Q. 宿泊もできるレンタルスペースにしたい場合、何か手続きは必要ですか?

A. 宿泊を伴う営業は、旅館業法の許可または住宅宿泊事業法(民泊)の届出が必要になります。宿泊を伴わない時間貸し・日貸しの場所貸しであれば旅館業法の対象外です。宿泊の受入れ予定している場合は、事業計画の段階で自治体へ確認しましょう。詳しくは「貸し方の3区分——時間貸し・日貸し・月極で事業の形が変わる」をご覧ください。

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監修者情報

望月 直紀

株式会社Wakutsuku 代表取締役

望月 直紀

約10年にわたり、無人施設の運営やスマートロック関連の業務に携わる。自身でも複数の施設運営を経験し、予約管理や無人運営、収益改善など、施設運営の実務に従事。現場で感じた「業務効率化だけでなく、利益向上まで支援できる仕組みが必要」という課題をもとに、施設運営向け予約管理システム「Spekan」を立ち上げる。施設運営・無人化・予約管理に関する実務経験を活かし、記事を監修。

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